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途中でやめた習い事がムダじゃない3つの理由

みなさんこんにちは。ウィーケン!オンラインスクール講師の岡内(あや先生)です。子ども達にとっての「体験」について考えるこのシリーズ、前回は体験の意味・意義について考えました。「好き」なことをやるのが人生の成功戦略と言える現代、その「好き」を見つけるために必要なステップが、幅広い「体験」をやることでした。

そうなると疑問になってくるのが、やってみて「好き」ではなかった(嫌いではなく普通も含めて)数々の体験は、実はちょっとムダでは?という点。今回は、人生の軸にはならなかった、数多くの体験が持つ意味について考えます。

オンラインスクールはじめての方へ

意味1:成功に必須の「非認知能力」を伸ばすことができる

 「非認知能力」という言葉を耳にしたことはありますか?2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームス・ベックマン氏が提唱したもので、社会的な成功に不可欠とされる要素です(具体的には下図)。この「非認知能力」と対をなす存在として言われるのが「認知能力」。読み書きそろばん・IQ・偏差値など、テストやスコアなどで数値化できる要素をさします。 

 より日常用語で言うと、塾や学校の座学で学ぶ知識中心の内容が「認知能力」、我慢をする・人と協力する・感情をコントロールするなど、人とのかかわりから学ぶ行動中心の内容が「非認知能力」です。これを人生戦略で言うと、”とっても博識(認知能力◎)だけど全く人の意見を聞かない人(非認知能力✕)”よりは、”お勉強はそこそこ(認知能力〇△)だけど周りと協力できる人(非認知能能力◎)”の方が、成功しやすいということです。

この「非認知能力」は、幅広い体験に参加することで育まれるという研究結果が、数多くの専門家から出ています(OECD・ベネッセ等)。様々な体験への参加は、人生を生き抜く上で必須の「非認知能力」を育むのです。

意味2:人生の選択肢を広げてくれる

 皆さんは、宇宙の果てはどんな景色が広がっているかイメージできるでしょうか?ほとんどの方が「No」でしょう。では、ハワイの海辺の景色はいかがでしょうか?数割の方が「Yes」となるでしょう。東京の街中の景色であれば、大部分の方が「Yes」となるはずです。この割合の違いは、皆さんご自身がどの程度関連した体験をしたことがあるかが関係しています。

 つまり、自分が体験したことはイメージできるけど、体験してないものはイメージもできません。沖縄県で、子ども・若者の支援をしているNPO法人ちゅらゆい代表理事の金城隆一さんは、こんなエピソードを語っています。

 「沖縄から北海道に子ども達を連れて行った時のことです。子ども達にとって初めての旅行でしたが、北海道に着いて子ども達が行きたがったのは、ゲームセンターやアニメショップ、全国チェーンの寿司屋でした。地元沖縄にもあるものばかりなんです。そもそも色々な体験自体をしたことがないから、北海道ならではの体験が思いつかないんです」

 日々の小さなイマジネーションから、大きな人生選択まで。色々な体験をすることが、選択肢を拡げるのです。

意味3:自分の専門分野(=好きな領域)の「深み」を生み出す

 究極の成功者、ノーベル賞受賞者たち。各分野のエキスパートである彼らですが、実は一般人や他の科学者と比較して高い割合でアートの趣味を持っています。ミシガン大学教授のロバート・バーンスタイン氏によると、絵画・彫刻は7倍、写真は8倍、ダンス・演劇は22倍ということがわかりました。 

 標準が重視された過去は、繰り返しの学習や訓練が有効な時代でした。しかし現代は、次々と新たな課題が発生し、その都度新しいやり方を試行錯誤することが求められます。このような時代には、幅広い分野を経験しておくことで選択肢や思考を広げておくこと、そして、自分とは異なる個性や専門分野をもった人材とも協力することで(非認知能力ですね!)、自身のコア領域でも高い成果を出すことができるのです。最後に、かの有名なアインシュタインの言葉を引用します。

「想像力は知識より重要だ。知識には限界があるが、想像力は世界を包み込む。そして進歩を促し、進化を引き起こす」

「体験」の重要性をお伝えした地頃で、次回最終回の3回目は、「体験はいつやるのがよい?」を考えます。お楽しみに!

>続く第3回の記事はコチラ

※参考文献:
『RANGE ~知識の「幅」が最強の武器になる』(デイビッド・エプスタイン)
『体験格差』(今井悠介)


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著者紹介

岡内 彩
東京大学 教育学部卒業。学校外での学びや生涯教育について学ぶ。学生時代からネパールで環境問題のボランティアキャンプなど海外活動に参加。企業広報としての情報発信に加え、講演や講座の実績も多数。現在は、ウィーケン!では子ども向けのグローバルスクールの講師を担当する一方で、ビジネスパーソン向けの講師も務める。

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