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子どもの体験いつから始めるのが正解?

みなさんこんにちは。ウィーケン!オンラインスクール講師の岡内(あや先生)です。子ども達にとっての「体験」について考えるこのシリーズも、いよいよ今回が最終回。初回の前々回では幅広い体験が人生の軸となる「好き」を見つけることを取り上げ、前回は人生の軸となる領域以外の体験も、人生の選択肢や非認知能力アップなどのつながるという内容を取り上げました。最終回の今回は、体験をやるのに最適なタイミングについて考えます。

オンラインスクールはじめての方へ

体験ゼロが3割の衝撃

本題に入る前に、体験に関する調査データを2つご紹介します。過去2回を通じて体験の重要性を伝えてきましたが、近年の子ども達には、体験について様々な逆風が吹いています。

年収300万円未満の世帯では、1年間で体験ゼロの子が約3割:約1年前、公益財団法人チャンス・フォー・チルドレンから発表された調査結果です。ここで言う体験には、地域のお祭りなど、無料で参加できるものも含まれています。世帯収入が上がるに伴って体験ゼロの数字は減っていきますが、600万円以上でも約1割が体験ゼロ。年収以外にも、保護者の体験度合(親が体験豊富だと、子どもも体験豊富)、居住地(地方よりも都市在住者の方が体験豊富)など、複数の観点で子どもの体験度合についての分析がありました。保護者が体験の重要性を認識している、金銭的・交通アクセスなどの制約が低いなどが、子どもの体験度合に影響を与えているようです。

小学生はコロナ禍による体験縮小のマイナスダメージが大:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社による調査で、コロナ禍での行事縮小の子どもへの影響を調査したものです。中学生や高校生については大きなマイナス影響は見らなかったものの、小学生については大きなマイナス影響があることがわかりました。

家庭環境や社会環境など、豊かな体験を得るにはいくつものハードルがあるのが現在の子ども達。裏を返せば、豊かな体験は当たり前に得られるものではなく、意識的に環境を作ってあげることが必要なのです。

体験は幼児期からスタートし、低学年で手厚く

体験の重要性と、意識的に取り組む必要性をご理解いただいたところで、さて、いつから始めるのがよいでしょうか?その答えは「幼児期から始めて、小学校低学年で最も多く体験する」です。

幼児期からのスタートをおすすめする理由は、前回もふれた非認知能力の観点によるものです。非認知能力は生涯にわたって成長していく能力ではありますが、最も発達するのは小学校入学前と言われています。また、非認知能力は雪だるま式に大きくなっていく能力で、早く習得したほうが大きな効果が得られます。例えば、4歳で一定の「頑張る力」が身についている子は、7歳で小学校の勉強が難しくなってきたときにも「頑張る力」を発揮して勉強の壁をこえることができ、より難しいことにも「頑張る力」を発揮できます。

次に小学校低学年での重点実施をおすすめする理由は、子どもの生活における優先度の変化です。高学年になると、部活動や通塾なとに時間を取られがちです。実際、文部科学省による調査でも、小学校4年生までは、補助学習費(塾など、「認知能力」への投資ですね)よりも、その他の学外活動費(習い事や体験など、「非認知能力」への投資)が多いという統計がでています。

 豊かな体験から最大限の効果を得るには、最も非認知能力が成長する幼児期にスタートし、時間的余裕がある低学年に重点的に取り組むのがおすすめです。

星の数ほどの体験を経て「好き」を見つけ、夢に向かって羽ばたく子ども達

最後に、私たちウィーケン!で、沢山の体験をしてきた卒業生たちが、どんな道を歩んでいるのかご紹介して、今回の連載を終えることとします。

①Aちゃん:コロナ禍の2年生からウィーケンのオンライン体験に参加。ウィーケンのスクールで、海洋プラスチックごみで生き物が苦しんでいるのを知りました。スクールを通じて水族館の館長さんにインタビューしたり、ご家族と近くの海岸にゴミ拾いに行ったり、自由研究でその成果をまとめたり。高学年になってからも、机上での学びやリサーチ、現地訪問や実体験を繰り返していく中で、将来の夢は「世界で活躍するマリンガイド」に。英語学習も並行して取組んで小学校卒業前に英検3級を取得、娘さんの夢に伴走するためお母さまも船舶免許を取得と、家族一体となってお子さんに伴走。今年4月に、SDGsに重点的に取り組む私立中学校に入学。

②Bちゃん:コロナ禍前からウィーケンのリアル体験に数多く参加し、家族でもタイの原住民へのホームステイなど海外でも多くの体験を得る。コロナ禍での休校期間中はウィーケンのオンラインスクールに毎日参加し、コロナ禍でも途切れることなく体験を得続ける。その後、中学受験でウィーケンの体験は中断するも、受験終了後はスクールに復帰。小学生時代の夢は「建築家」だったが、中学生の今は「外国で働くこと」が夢。そのファーストステップとして、中学3年生となった今夏、初の単身海外留学にチャレンジする。

全3回の連載、最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!

体験って、レジャーのこと?ーーーいえいえ、違います!(一部、含まれはしますが)。子ども達の「好き」を見つけ、将来にわたって必要な非認知能力を伸ばすものです。そして、当たり前にあるものではなく、意識的に保護者や周囲が環境を作ってあげることが必要です。

お子さんの未来のために、ぜひ豊かな体験をプレゼントしてあげて下さい!!

※参考文献:
・公益財団法人チャンス・フォー・チルドレン(2023)「子どもの『体験格差』実態調査』

・公益財団法人日本財団,三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 (2021)「コロナ禍が教育格差にもたらす影響調査」
・文部科学省(2021)「令和3年度子供の学習費調査」

時間がある夏休みは、体験をするのにピッタリの時期。ウィーケン!では、子どもたちの豊かな夏休みに向けて、たくさんの体験を開催します!
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著者紹介

岡内 彩
東京大学 教育学部卒業。学校外での学びや生涯教育について学ぶ。学生時代からネパールで環境問題のボランティアキャンプなど海外活動に参加。企業広報としての情報発信に加え、講演や講座の実績も多数。現在は、ウィーケン!では子ども向けのグローバルスクールの講師を担当する一方で、ビジネスパーソン向けの講師も務める。

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